本研究は、理科授業を行う際に教師が必要としている指導技術について、短く編集したビデオ映像とその授業の指導案を検索し視聴できるCD-ROMの開発を行い、教師の理科授業を支援していくことを目的とした。本年度は、研究の最終年度であり、次の点について行った。 1.小学校理科授業ビデオの撮影 これまでの授業に加え、本年度は追加補充のために新たに3つの小学校理科授業を撮影するとともに、その授業の単元計画、指導案を入手した。 2.ビデオ内容の編集と整理、検索システム整備 本年度撮影した授業とともに、平成14・15年度に撮影し編集およびカテゴリー化した授業場面について、ホームページ形式で検索できるように再カテゴリー化を行った。検索システムは、小学校の理科を中心にし、a.単元名で検索し、その授業を時間的順序で見ていくことができる、b.導入、予想、観察・実験といった問題解決の場面ごとにビデオの検索ができる、c.コミュニケーション、机間指導、観察・実験、表現活動、教育機器の活用、教師の説明、設備や施設の利用、評価といった教師が必要とする指導場面ごとにビデオを検索できるものである。ビデオは、視聴しやすいように、一つの場面を3分程度とした。また、子どものプライバシー保護の観点から、映像を処理し、個人が特定されないようにした。これまでに収録した授業及び場面を精選し、採用したのは、小学校においては、18の授業、中学校では、4つの授業と観察・実験場面5つである。 CD-ROMの理科教育関係者への配布は、映像処理についての授業者への内容確認になお時間が必要であるため、平成17年5月頃になる予定である。 3.報告書およびCD-ROMの利用マニュアルの作成 平成14・15年度に行った、教師の理科授業において指導を難しく感じる場面のアンケート調査結果、および開発したCD-ROMの利用マニュアルを含めた報告書を冊子にした。
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