研究概要 |
現在の教員は,たとえば,高等専門学校の教員の学校業務を考えると,複数の教科を担当,その教材準備や授業,そして様々な試験問題作成,実験指導,卒業研究指導,専攻研究指導,研究,学生の生活指導と多忙である。それらを多少なりとも解消すために,インターネットを利用して協調作業で教材作成するシステムを提案した。それが,教材作成工房である。この教材作成工房の仕様を決めるにあたり,(1)機能は必要最小限とする。(2)プラットホームを選ばない。(3)特別に高性能仕様のコンピュータを必要としない。(4)簡単なシステム管理。(5)無償でのシステム配布 を考慮した。平成14年度では,この基本な考え方に沿って,教材作成工房の基本機能(セットアップ機能,サーバ状態表示機能,ユーザ管理ツール,ログイン機能,ログアウト機能,デスク機能,キャビネット機能,ミーティング機能,入室状況表示機能,ファイル転送機能,パスワード変更機能,システム終了機能)をJAVA言語で実現した。15年度では,プログラムのバグの修正および現状での教材作成工房を評価して,問題点や改善すべき点を検討した。その結果以下のような点が指摘された。 (1)現在,クライアントPCを介して行っているデスクとキャビネット間のファイル転送を,直接にデスクとキャビネット間でファイル転送を可能とする。 (2)ファイル毎に行っていたデータ転送をフォルダごと転送できるようにする。 (3)現在は,クライアントPGにファイルを転送し,クライアント上のアプリケーションプログラムで開いて内容を閲覧している。キャビネット内のファイルを直接使って電子教材内容を簡単に閲覧できるようにする。 (4)著作権に抵触しない形に電子化された教材素材の十分な蓄積が必要である。 (5)システム安定動作のためにマルチサーバ方式を計画していたが,基本機能の充実・完成が先決問題である。 これまでの成果を,日本物理学会第59回年次大会にて,「仮想教材作成工房による電気磁気学演習教材作成」という題目で発表した。教材そのもの提示ではなく,協調作業による教材作成ツールということで多くの参加者が興味を示した。
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