研究課題/領域番号 |
14658077
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
長友 和彦 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (60164448)
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研究分担者 |
森山 新 お茶の水女子大学, 留学生センター, 助教授 (10343170)
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キーワード | 三言語併用 / 日本語発達 / 第三言語習得 / ケーススタディ / タガログ語併用 / スペイン語併用 / ベンガル語併用 / 幼児の言語発達 |
研究概要 |
本研究は、日本社会が多言語多文化社会に緩やかに移行しつつあることに注目し、記述的事例研究として、三言語併用環境に育つ幼児および年少者数名の言語発達について、音声・文法・コミュニケーション能力の発展という観点から、(1)その実態、(2)先行研究におけるモノリンガルやバイリンガル環境での言語発達過程、特に日本語のそれとの異同、(3)三言語の発達・未発達過程に関わる家庭及び社会という言語環境の諸要因などを明らかにし、三言語の自然な習得と保持が可能となる言語環境のあり方、特に日本語支援・教育のあり方に関する示唆を得ることを目的とする。 本年度は、三言語併用環境にある幼児、年少者、成人の言語発達を音声・文法・コミュニケーション能力という観点から解明するため、精力的にデータを収集した。データは、研究協力者の協力を得て、1〜2週間ごとに幼児の自宅で家族、特に母親とのコミュニケーションを約1時間、2台のデジタルビデオカメラとMDレコーダーを用いて録画・録音、及び詳細な参与観察記録を取ることで収集した。なお、データに含まれる言語は日本語以外にタガログ語、ベンガル語、スペイン語、中国語、台湾語、韓国語及び英語である。 データと参与観察記録を基に、音声・語彙・文法、そして特にコミュニケーション能力の発達については次年度から本格的な分析を行うが、データ収集の過程で、母親とのやりとりにおける非言語手段が三言語併用環境における言語発達の大きな要因の一つになっていることが明らかになった。
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