層別逆回帰法を用いた説明変量空間の次元縮小に関する研究

2003 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 14658081
• 研究機関: 北海道大学
• 研究代表者: 水田 正弘 北海道大学, 情報基盤センター, 教授 (70174026)
• キーワード: 非線形回帰 / 射影追跡 / 説明変量選択 / 独立成分分析 / 計算機指向手法 / 分布間の距離 / 分布に依存しない手法 / 射影指標

研究概要

データの説明変数が多い場合に、重回帰分析によって適切な解析結果を得るためには、多くのサンプルが必要であったり、共線性の有無を慎重に検討しなくてはならない。そのために、従来から説明変数選択法が提案されている。その1つとして、Li, K.C.(1991;JASA)は非常に一般的な回帰モデルの仮定のもとに説明変数の次元を縮小する層別逆回帰法を提案した。しかし、Liが提案した層別逆回帰法のアルゴリズム、さらに他の研究者により提案されたアルゴリズムでは、非常に単純な人工データについても適切な結果を得ることが困難であった。このような背景のもとで、回帰分析における実用的な説明変数空間の次元縮小を目指し、層別逆回帰法に射影追跡を利用する方法の実用化と理論構築を本研究課題の目的とする。
本年度は、平成14年度の成果を基に、実践的な手法を開発するため、以下の3つの段階で研究を進めた。
(1)層別逆回帰法における縮小すべき次元の決定法の研究
(2)相対射影追跡法の開発と、層別逆回帰法への適用
(3)独立成分分析の考え方を利用した層別逆回帰法の開発
以上の研究により、層別逆回帰法の利用に際して、有効な情報を得ることができた。

研究成果

• [文献書誌] M.Mizuta: "On Conditional Distribution of Sliced Inverse Regression Model"New Developments in Psychometrics. 347-354 (2003)
• [文献書誌] M.Mizuta: "An Extended Sliced Inverse Regression"Statistical Data Mining and Knowledge Discovery. 251-256 (2003)
• [文献書誌] S.Hiro, Y.Komiya, H.Minami, M.Mizuta: "Hall Type Projection Index for Relative Projection Pursuit"Bulletin of the International Statistical Institute. Book 1. 492-493 (2003)
• [文献書誌] T.Shimamura, H.Minami, Y.Komiya, M.Tada, T.Moriuchi, M.Mizuta: "Penalized Regression Modeling for Gene Expression Data Analysis"Bulletin of the International Statistical Institute. Book 2. 426-427 (2003)
• [文献書誌] 弘 新太郎, 小宮由里子, 南 弘征, 水田正弘: "経験分布関数を用いた新たな射影指標の提案"応用統計学. 32-1. 17-29 (2003)