研究課題/領域番号 |
14658082
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
藤越 康祝 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40033849)
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研究分担者 |
瀬尾 隆 東京理科大学, 理学部, 講師 (00266909)
若木 宏文 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90210856)
大瀧 慈 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (20110463)
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キーワード | 高次元漸近理論 / 多変量線形仮説検定統計量 / 判別分析 / 変数選択問題 / 高次元推測問題 / 共分散行列検定統計量 / 固有値の漸近分布 |
研究概要 |
本研究では多変量解析における統計的方法において、標本数に比べ変数の次元が大であるときの漸近理論の開発と応用を目指している。本年度の主要成果の1つは、昨年度からの継続研究である多変量線形モデルにおける3つの代表的検定統計量に関するものである。これらの統計量について、標本数と次元が共に大きくなるという高次元漸近的枠組みのもとで、漸近展開近似の導出に成功し、このような高次元漸近理論に基づく近似公式は、次元数が大きいときのみならず、小さいときにもよい近似であることを指摘した。尤度比基準についての結果は掲載予定である(Tonda and Fujikoshi(2004))が、尤度比基準を含む他の統計量についての結果は投稿中である(Wkaki, Fujikoshi and Ulyanov(2003))。変数の次元数が標本数に近いか、あるいは、大きい場合の推測問題や関連する漸近理論の問題は、今後の重要な研究課題であることに鑑み、2つの解説論文を発表した(藤越(2003)、Fujikoshi(2004))。ここでは、このような問題の重要性、高次元データ解析へのアプローチ、高次元推測問題、高次元漸近理論、現在までに得られている主要な結果、などについて解説している。とくに、高次元データの解析法として、変数選択により次元を縮小するアプローチと、全変数を利用するアプローチについて言及している。この他の研究成果として、平均ベクトルに関する高次元検定統計量について、高次元の枠組みでの漸近近似を求めることに成功し、伝統的な方法との比較や、近似の精度を明らかにしている。この結果は、目下、投稿中である(Fujikoshi, Himeno and Wakaki(2004))。
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