研究課題/領域番号 |
14658086
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
厚井 裕司 岩手大学, 工学部, 教授 (20333750)
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研究分担者 |
中谷 直司 岩手大学, 工学部, 助手 (20322969)
鈴木 正幸 岩手大学, 工学部, 助教授 (20143365)
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キーワード | コンピュータウイルス / ワクチン / 感染 / 駆除 |
研究概要 |
我々は、コンピュータウイルスを駆除するワクチンにウイルスと同様の感染能力を持たせることで、管理者がウイルス検出を行うコンピュータをいくつか用意しウイルスの検出とワクチンによる駆除を行えば、ウイルス対策を管理者レベルで一元管理することが可能となる新しいウイルス駆除手法を提案し、シミュレーションによりその有効性を示した。しかし、上記提案では、ワクチンが管理下のネットワークを離れ、他のネットワークにおいても感染し続けてしまう危険性があった。そこで、ワクチンモデルに修正を加えて、ワクチンの活動領域を限定すると共に、管理領域の概念を取り入れたシミュレーションを行い、以下のことが確認された。 (1)ワクチンの活動範囲ではない領域への通信の割合が30%程度であれば有効に機能する。 (2)ワクチンを使用する管理領域の規模、およびウイルス検出ソフトの導入率は、ウイルスの駆除率には影響を与えない。したがって、管理領域の規模が大きく、なおかつウイルス検出がわずかなコンピュータでしか行われていない場合でも、提案手法はウイルスを駆除可能となる。 (3)ウイルス検出ソフトを導入していない管理領域でも、ウイルス検出ソフトを導入している管理領域と少しでも通信があれば、ワクチンの活動範囲に指定するだけで、ウイルスを駆除することができる。 以上の検討に基づき本制御方式を特許出願すると共に、実際にサーバとクライアントのソフトウェアで機能を実現して、その有効性を確認した。しかしながら、この制御方式に対して否定的な見方をする研究者もあり、今後もこの関係の研究や市場の動向を見守りたい。なお、本研究が起爆剤となって、関係者は本格的にコンピュータウイルス関係の研究に着手することとなった。
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