研究概要 |
複数カメラ映像からの3次元の物体モデルの獲得は,コンピュータビジョンの分野での重要なテーマの1つである.しかし,より現実に近い物体モデルを得ようとすると,従来から行われていた非接触のセンサだけでのモデリングでは不可能である.実際に触れなければ,物体の弾力性や柔軟性を測定することはできない.本研究は,圧力センサを付けた指先で物体を触れながら,それと同時に物体の外形の変化をカメラで撮影することで,その物体の弾力性や柔軟性を推定しようとする試みである.なお,対象となる物体は,一様な材質で作られていることを前提とする. まず,物体を三角格子状に近似した3次元の三角メッシュ構造で表現する.格子は接続点であるノードと,ノード間のリンクによって構成される.メッシュ構造に柔軟性・弾力性を持たせるため,反発の性質としてバネ,減衰の性質としてダンパをリンクに与える. 指先に圧力センサを付けて,モデリング対象を扱う映像を3台のカメラで撮影する.計測された圧力センサの時系列データと物体の形状変化に対し,一般化Hough変換を用いて全てのパラメタの組み合わせについて調べ,もっとも圧力データ,形状データに近い生成が行えたパラメタの組み合わせをモデル推定の結果とする.簡単な実験を行い本方式の有用性を確かめた.
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