研究概要 |
現実物体の3次元モデルの獲得は,コンピュータビジョンの分野での重要なテーマの1つである.現在,これらの方法としてカメラ画像を用いてモデリングをする手法や,レンジファインダにより得られたデータを用いてモデリングをする手法が一般的である.しかし,このような非接触のセンサのみを用いる従来の手法では,柔軟性や弾力性などのデータは得ることができない.そのため,柔軟な物体でも硬い物体でも同様のモデルしか得られないという問題点がある.本研究では,カメラ画像だけでなく圧力センサを用いて,物体の柔軟性を考慮した3次元モデリングを行う手法を提案する. 本研究は,圧力センサをつけた指先で物体を触れながら,同時に物体の外形の変化をカメラで撮影することで,その物体の弾力性や柔軟性を推定し,柔軟さを考慮した3次元モデルを得ようとする賦みである. 本年度は,平成14年度の成果に基づき,利用モデルを,GGVF(Generalized Gradient Vector Flow)を用いた3次元変形可能曲面モデルに変更し,モデル精度の向上を試みた.また,動的輪郭モデル"Snakes"を3次元に拡張し,3次元変形可能曲面モデルを用いて物体の外形の推定方式の検討を行った. カメラ画像からの物体の外形推定や,ばねモデルのパラメータ推定などは,カメラのパラメータ推定を行うカメラキャリブレーションなどの問題により次年度の研究謀題となるが,人工画像から物体の外形を推定し3次元モデルを得る実験を行った結果,良好な3次元モデルが得られた.
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