研究概要 |
まずTVゲームを対象とした面白さの研究についてサーベイを行った.個々のTVゲームについて面白い,面白くない,という議論は多いものの,体系的にTVゲームの面白さを扱った研究はほとんど存在しないことがわかった.平成14年度にはTVゲームを研究対象に含む「エンタテインメントコンピューティング」という新しい研究領域を立ち上げ,国際ワークショップ(平成14年5月,幕張)と国内ワークショップ(平成15年1月,大阪)が研究代表者を中心として初めて開催された.これらの会議などを通じてゲームデザイナーなどTVゲーム業界の関係者と知り合い,彼らに対してTVゲームの面白さをどのように捉えているかについてインタビューを行った.その結果,彼らもTVゲームの面白さについては非常に感心があるものの,これまでに体系的に捉えたことはないことがわかった. 次に面白いとされているTVゲームをいくつかピックアップして,それがなぜ面白いかについてアンケート調査を行った(TVゲームによく親しんでいると思われる学生を対象とした).そのアンケート結果を分析した結果,われわれが想定したゲームの適度な複雑さが面白さに関係していることがわかった.いくつかのTVゲームについて,アイカメラを用いて視線分析を行なった.そのゲームに関する熟達の度合いによって視線に違いがあることがわかった.熟達の度合いは被験者がそのゲームを面白いと思っているかどうかと相関があると考えられるので,さらにこの実験を続けていくことによってTVゲームの面白さの分析ができるという目処がたった.いくつかのTVゲームについて複雑さを定量化するための分析を開始した.
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