研究課題/領域番号 |
14658114
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
横矢 直和 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (10252834)
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研究分担者 |
佐藤 智和 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (50362835)
佐藤 哲 通信総合研究所, けいはんな情報通信融合研究センター, 研究員 (40359104)
山澤 一誠 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (40283931)
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キーワード | 仮想現実 / 非線形光線追跡法 / シンプレクティック・レイトレーシング / シンプレクティック数値解析 / 科学的可視化 / ブラックホールの可視化 |
研究概要 |
本年度は、以下の研究を実施した。 1.超高速ネットワーキング・クラスタコンピューティングシステムの開発 まず、光線計算のベクトル型プロセッサへの実装を行い、処理速度を実験的に評価した。本実験により、ハードウェアコストを考慮するとスカラー型プロセッサと比べた優位性を見い出すことができなかったため、スカラー型プロセッサの計算機をSCI(Scalable Coherent Interface)ネットワークを用いて結ぶPCクラスタを構築した。 2.シンプレクティック・レイトレーシング技術の理論的な確立 前年度に引続き、ブラックホール時空での物理現象については8次元、地球上の物理現象については6次元の位相空間の中で非線形な軌道を描く光線を追跡した場合のシンプレクティック数値計算シミュレーションにおける局所的及び大局的計算誤差の解析的及び数値的評価を行った。また、処理の高速化に関しては、シンプレクティック・レイトレーシングにおける計算の大部分を占めるのは数値的な微分と数値的な積分を実行する部分であることに着目し、高速化の検討を行った。その結果、微分については、高速自動微分法にキャッシュを設けることで高速化が可能なことが分かった。また積分については、精度の低いシンプレクティック積分法を組み合わせて精度を向上させるよりも、計算量の多い精度の高い手法を用いる方が総合的に高速に計算できる場合があることを示した。 3.プロトタイプシステムの開発 画像提示デバイスとして没入型投影ディスプレイを用いた可視化システムのプロトタイプ開発した。本システムでは、歩行動作を利用したインタフェースにより、利用者は可視化された映像空間を移動することができるという特徴をもっている。このインタフェースについて主観評価実験を行い、没入感の向上を確認した。
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