研究概要 |
製造業にとっての重大な課題の一つにプロフィットの確保がある。コストの低減とプロフィットの増大は全く異なるものであるが、製造メーカはコスト低減を計るために、TQM,IE,TPM, ITなどの各種改善活動を行っている。残念ながら、これらの改善活動がコストの低減に、あるいはプロフィットの増大にどのように役立っているかは明確でない。市場が飽和し、競争が激化する中で、投資のリスク、新製品上市のリスク等を考えた上でのプロフィット確保のための方策が強く求められているが、本研究では、市場の動向を製品の販売量、製品ライフ、価格等の変動でとらえて、プロフィットの最大化を計るための方法を開発することを目的としているが、本年度は特に投資リスクを考えた上でのプロフィット最大化のための定式化を行い、シミュレーションによる最大化アルゴリズムを開発した。企業での適用実験を行っているが、当然、検証には時間がかかる。本研究で展開した方法は、我が国では設備管理学会で主要研究課題の一つに選択され、多くの企業との共同研究が進んでいる。また、ヨーロッパで適用実験が進んでおり、イギリスBPB社、ヨーロッパキャンベルスープ社、多国籍企業Acelor社、繊維機械製造メーカのピカノール社等での導入実験が進んでいる。これらの企業では、経理の専門家も加わって、技術者と共同でプロフィット最大化のための方策の策定を当研究で開発した手法をもって行っている。
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