研究概要 |
放射性廃棄物には、再処理工程から発生する高レベルおよび様々な中、低レベル廃棄物、燃料製造工程等で発生するウランを主成分とするとする廃棄物、原子力発電所の冷却水から発生するCo,Fe等の放射性核種を含む低レベル廃棄物がある。超臨界流体を利用する廃棄物処理法は、二次廃棄物の発生を防ぐことができることから、廃棄物の減容化とうい観点で、極めて優れた方法と言える。本研究は、超臨界流体を利用して、様々な放射性廃棄物の処理方法を開発することを目的とする。 超臨界水を用いた難燃性放射性廃棄物の処理 原子力発電所では、布やプラスチック等からなる低レベル放射性廃棄物が多量に発生する。これらは普通の廃棄物のように焼却処分することは許されない。代表者等は、一般廃棄物(プラスチックや樹脂)を超臨界水中で完全に分解処理する方法を開発した。この方法は酸化ルテニウムを触媒とするが、酸化剤を加える必要がなく、二次廃棄物の発生がない。平成15年度は、上記の方法を用い、実際に原子力発電所で使用されている難燃性プラスチックを処理することを試みた。実験の結果、難燃性プラスチックも、一般廃棄物と同様に、完全に分解することが分かった。 超臨界流体を用いた廃棄物中に含まれる金属の回収 低レベル放射性廃棄物中には放射性のCo,Fe等の金属が含まれている。これら金属が放射能の源である。難燃性を処理する際、金属を高収率で分離・回収することが重要な課題である。平成15年度の研究では、これら金属が高温で一旦はイオンとして溶解し、さらに超臨界状態にするすると難溶性の酸化物を生成することを利用し、これら金属を沈殿として分離することを試みた。実験は、最初、非放射性CoとFeの塩を用い、次に、放射性のCoとFeを含むプラスチックを用いて行った。その結果、CoとFeを非常に高収率で回収することができた。次年度はこの方法を実用化に向けて研究を進めていく。
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