研究課題/領域番号 |
14658159
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
松永 司 金沢大学, 薬学部, 教授 (60192340)
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研究分担者 |
若杉 光生 金沢大学, 薬学部, 助手 (80345595)
石垣 靖人 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (20232275)
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キーワード | DNA損傷 / 紫外線 / モノクローナル抗体 / シクロブタン型ピリミジンダイマー / (6-4)光産物 / 色素性乾皮症 / コケイン症候群 / ヌクレオチド除去修復 |
研究概要 |
我々は、紫外線誘発DNA損傷であるシクロブタン型ピリミジン二量体や(6-4)光産物を特異的に認識するモノクローナル抗体を作製し、1J/m^2という正常ヒト細胞の生存率に影響を与えない紫外線線量域におけるDNA損傷修復能を測定できる超高感度定量系を開発した。その結果、従来の線量域(10-40J/m^2)では全く修復能が見られなかった色素性乾皮症A群(XP-A)患者由来細胞XP12BE、およびXP-G患者由来細胞XP2BIにおいて、(6-4)光産物が24時間で約40-50%修復されるという現象を見出した。本研究では、この現象がヌクレオチド除去修復が完全に破壊されたときのバックアップシステムによるものか否かさらに検証した。そこで、臨床症状と修復欠損がより重篤なXPEMB-1(XP-A)細胞、およびXPCS2LV(コケイン症候群併発型XP-G)細胞について1J/m^2照射後の(6-4)光産物の修復動態を解析したところ、これらの細胞ではウェスタンブロッティングで各欠損タンパク質が全く検出できなかったが、やはり24時問で20-40%程度の修復が観察された。また、検出限界以下の変異型タンパク質の存在とそれによる残存活性を否定するため、XPAあるいはXPGのノックアウトマウス由来細胞の供与を受けて同様の解析を行った結果、色素性乾皮症患者由来細胞で見られるよりも程度は低いものの(6-4)光産物の修復傾向が確認された。以上の結果より、1J/m^2照射時に見られるヌクレオチド除去修復欠損細胞における(6-4)光産物の修復能は、ヌクレオチド除去修復以外のバックアップシステムによる可能性が示唆された。
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