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2002 年度 実績報告書

複合糖質の新規キラル分析法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14658181
研究機関北海道大学

研究代表者

門出 健次  北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40210207)

研究分担者 三浦 信明  (財)バイオインダストリー協会, 研究員
キーワードVCD / 赤外領域円二色性スペクトル / 糖類 / 理論計算 / Gaussian98 / D-グルコース / アセチル化
研究概要

本年度、他予算により赤外領域円二色性分光器を購入し、設置作業を行った。世界的にも13台目の装置であるため、装置のセットアップ及び分析条件の検討にかなりの時間を費やした。スタンダード化合物であるαピネンにより詳細な条件検討を行った。特に、セルの調節及び溶媒等の検討を行った。また、理論計算を行うための他予算で購入した計算機のインフラの整備を行った。Compaq alphaserver ES45およびPentiumIV 2GHzを4台結合させたPCクラスタを主力マシンとして、利用し、Gaussian 98によるスタンダード化合物の理論スペクトルの再現を試みた。結果的に、密度汎関数法(B3LYP)および6-3G(d,p)基底関数を用いて理論計算を行うことにより、実験スペクトルと理論スペクトルの良好な一致を得ることに成功した。
次に単糖類の測定を行った。グルコースに関しては鏡像体の測定を行い、鏡像体どうしが完全に反対のスペクトルを示すことを確認した。理論上は当たり前であるが、開発途中の装置では、このような基礎実験が今後のデータの信頼性を得るために極めて重要であると確信している。また、D-ガラクトース、D-マンノース、D-キシロース、D-フコース、D-リボース、D-N-アセチルグルコース、D-N-アセチルガラクトース等中心とする単糖類のVCD測定を行い、これらが、まったく違うVCDスペクトルパターンを示すことを発見した。一般に、少数の立体化学の違いをこれほど明確に識別できる分析法は皆無であり、VCDが糖類に極めて有効な分析手段であることが期待された。
次に保護基の検討を行った。各種単糖類をベンジル化、アセチル化し、VCDの測定を行った。その結果、アセチル化された糖類のVCDシグナルが数倍にも増大し、アセチル化がシグナル感度を上昇させるのに非常に優れた保護基であることを確認した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Yoshida K.: "Absolute Stereochemistry of Chiral C60 Fullerene Bis-Adducts"Enantiomer. 7. 23-32 (2002)

  • [文献書誌] Sukegawa T.: "Erythrocyte-like liposomes prepared by means of amphiphilic cyclodextrin sulfates"Chem. Commun.. 430-431 (2002)

  • [文献書誌] Sadamoto R.: "Cell-wall Engineering of Living Bacteria"J. Am. Chem. Soc.. 124. 9018-9019 (2002)

  • [文献書誌] Tachibana Y.: "Efficient and versatile synthesis of mucin-like glycoprotein mimics"Tetrahedr. Lett.. 58. 10213-10224 (2002)

  • [文献書誌] Peter Kutschy: "Spirocyclization strategy toward indole phytoalexins. The first synthesis of(±)-1-methoxyspirobrassinin,(±)-1-methoxyspirobrassinol and(±)-1-methoxyspirobrassinol methyl ether"Tetrahedr. Lett.. 43. 9489-9492 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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