研究課題/領域番号 |
14658202
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大矢 禎一 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20183767)
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研究分担者 |
岡野 浩行 理化学研究所, フロンティア研究システム, 研究員
木村 英紀 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (10029514)
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キーワード | カルモデュリン / 接合 / 情報伝達 / NUF1 / 出芽酵母 |
研究概要 |
カルモデュリンの情報伝達モード切り替えスイッチ仮説の検証を行うための予備的実験として、以下の研究をおこなった。出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeはaとaと呼ばれる二つの性を持ち、富栄養条件下で接合と呼ばれる過程によって、細胞および核を融合させて接合子を生じる。この過程で細胞外からのCa2+の流入が起こることが知られており、この流入は接合子の生存率の維持に重要であることが示されている。そこで我々は、接合過程におけるCa2+受容タンパク質、CaMの機能を調べるために、21個のCaM変異株について34度における同一変異株同士での接合能を測定した。その結果計10個の変異株が野生株の20%以下という著しい接合効率の低下を示した。次にこれらの変異株が接合過程のどのステップに欠損を持つかを調べたところ、cmd1-228とcmd1-239は接合子の形成、細胞膜の融合は正常であったが、核融合に欠損を示すことがわかった。cmd1-228とcmd1-239の示す核融合の欠損は、nuf1変異株でも見られること、cmd1-228とcmd1-239において著しいNuf1pとの複合体形成欠損がみられること、NUF1優性変異であるNUF1-407がcmd1-228とcmd1-239の接合欠損の抑圧すること、等からcmd1-228およびcmd1-239の接合欠損はNuf1pとの結合能の低下より生じることが明らかになり、この結合能の低下が核融合の欠損を引き起こすことが示唆された。
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