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2003 年度 実績報告書

酵素の反応機構の相互作用直接測定からの研究

研究課題

研究課題/領域番号 14658210
研究機関東北大学

研究代表者

栗原 和枝  東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (50252250)

キーワード表面力測定 / 原子間力顕微鏡 / 酵素 / 酵素-基質反応 / プレニルトランスフェラーゼ / 分子認識
研究概要

サブユニットが会合して機能発現する酵素分子のサブユニットそれぞれを二次元面上に配向させて並べ、その相互作用を表面力測定より評価し、酵素機能をサブユニット間ならびにサブユニット-基質間相互作用から評価する新しい研究アプローチを提出することを目的とした。ヘプタプレニル二リン酸合成酵素は、Mg^<2+>を介して基質であるFPPにさらに別の基質であるIPPを順次縮合させ炭素鎖を延長する酵素である。ポリヒスチジン(His-tag)をN端に組み込んだヘプタプレニル二リン酸合成酵素のサブユニットIならびにIIを、イミノジアセテート-Cu^<2+>を親水基とする単分子膜(DSIDA)の表面に結合させて、二次元的に配向の揃った表面の調製をおこなった。このタンパク質単分子膜を、それぞれガラス基板とカンチレバーの先端に接着したコロイド粒子(直径:数十μm)上に累積し、コロイドプローブ原子間力顕微鏡を用い、タンパク質間に働く相互作用を直接測定した。
これまで、IPPとMg^<2+>が存在するときは接着力が働かず、FPPとMg^<2+>が共に存在するときのみサブユニットI-II間に接着力が働くことがわかった。つまり、会合体に必要な基質はFPPであることを直接測定により明らかにした。今回、どのようにサブユニットIとIIの会合体が形成されるのかを検討するため、水晶発振子マイクロバランス(QCM)を用いて、サブユニットI及びIIに対するFPPの吸着量測定をMg^<2+>の有無についておこなった。サブユニットIとII間に接着力が働く条件(Mg^<2+>が存在する場合)では、サブユニットIよりもサブユニットIIにFPPが結合することがわかった。これらのことから、サブユニットが会合体を形成する過程のモデルを提案することができた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] K.Kurihara, Y.Nakagawa, M.Mizukami: "Hydrogen-bonded Macrocluster Formation of Ethylene Glycol on Silica Surfaces in Ethylene Glycol-Cyclohexane Binary Liquids"Chem.Lett.. 32. 84-85 (2003)

  • [文献書誌] M.Mizukami, K.Kurihara: "Hydrogen-Bonded Macrocluster Formation of 1-Propanol and 2-Propanol on Silica Surfaces"Aust.J.Chem.. 56. 1071-1080 (2003)

  • [文献書誌] K.Kurihara, C.Dushkin: "Nanorheology and Nanotribology of Thin Glycerol Films Investigated by a Resonance Method"Nanoscience & Nanotechnology. 3. 181-183 (2003)

  • [文献書誌] M.Mizukami, K.Kusakabe, K.Kurihara: "Shear Resonance Measurement on Structuring of Liquids Confined between Mica Surfaces"Progr.Colloid Polym.Sci.. (In press). (2004)

  • [文献書誌] T.Suzuki, Y-W.Zhang, T.Koyama, D.Y.Sasaki, K.Kurihara: "Direct Observation of Specific Interaction between Enzyme-Substrate Complexes Using Colloidal Probe Atomic Force Microscopy"Chemistry Letters. (In press). (2004)

  • [文献書誌] 栗原和枝: "ナノテクノロジー/分子エレクトロニクスナノ分析"先端化学シリーズ. 6巻(印刷中). (2004)

  • [文献書誌] 栗原和枝: "放射光科学入門(渡辺誠, 佐藤肇編)9.7水面の単分子膜の構造"東北大学出版会. 4 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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