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2003 年度 実績報告書

発生開始期における転写誘導を制御する新規な転写制御因子の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 14658223
研究機関大阪大学

研究代表者

野島 博  大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (30156195)

研究分担者 薮田 紀一  大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (10343245)
キーワード精子細胞 / Rip経路 / 小胞体 / 転写制御因子 / 核内移行 / S1P認識配列 / 膜貫通領域 / CREM
研究概要

我々が包括的に単離したマウス精子形成特異的発現遺伝子群のひとつであるTISP40はTisp40αとTisp40β(N末端に55アミノ酸が付加されたもの)という新規なCREM様転写制御因子をコードする。HeLa細胞ではTisp40α/βは小胞体に局在したが、膜貫通領域を決失させた変異体(Tisp40dTM)は核に局在した。このことからTisp40はATF6やSREBP2と同様にRip経路で制御されていると推測した。また小胞体においてN結合型糖鎖が付加され、bZipを含むN末端が細胞質にあることとTisp40βのみリン酸化されていることを明らかにした。続いてTisp40の結合配列決定のためEMSAアッセイを行った。その結果Tisp40αdTMはATF6結合配列に特異的に結合し1塩基異なるCRE配列には結合しなかった。更にATF6結合配列よりも特異性の高い配列を探索するとともに、コア配列の決定のためATF6結合配列のコア配列(8塩基)について1塩基ずつ点変異を挿入しEMSAを行った。その結果Tisp40βはATF6結合配列よりも特異性の高い配列に結合することを見出した。さらにTisp40α/βは通常小胞体にアンカーされていることを明らかにした。次いでTisp40α/βを膜から開放する機構を解明するため、既に小胞体にアンカーされS1PS2Pによって制御されていることが知られているATF6やREBP2とTisp40α/βのアミノ酸配列を比較した。その結果ATF6やSREBP2同様にTisp40α/βにも膜貫通領域から20アミノ酸C末端側にRXXLというS1P認識配列が、膜貫通領域内にはS2P認識配列が見つかった。これらの結果から、Tisp40は精子形成過程中期においてRip経路を介して核内移行し、CREMの阻害と新たな転写標的の転写誘導を行う可能性があると結論した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kakihara, Y., Nabeshima, K., Hirata, A., Nojima, H.: "Overlapping omt1^+ and omt2^+ genes are required for spore wall maturation in Schizosaccharomyces pombe."Genes to Cells. 8・6. 547-558 (2003)

  • [文献書誌] Okuzaki, D., Watanabe, T., Tanaka, S., Nojima, H.: "The Saccharomyces cerevisiae bud-neck proteins Kcc4 and Gin4 have distinct but partially-overlapping cellular functions."Genes Genet.Sys.. 78・2. 113-126 (2003)

  • [文献書誌] Okuzaki, D., Satake, W., Hirata, A., Nojima, H.: "Fission Yeast meu14^+ is required for proper nuclear division and accurate formation of forespore membrane during meiosis II."J.Cell.Sci.. 116・13. 2721-2731 (2003)

  • [文献書誌] Yabuta, N., Kajimura, N., Mayanagi, K., Sato, M., Gotow, T., Uchiyama, Y., Ishimi, Y., Nojia, H.: "Mammalian Mcm2/4/6/7 complex forms a toroidal structure."Genes to Cells. 8・5. 413-421 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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