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ショウジョウバエの遺伝子が染色体ペアリング依存的に転写活性化する機構に影響をたえる遺伝子を調べるため、昨年度から行なっているクロマチンレベルでの転写制御かかわるtrxグループ遺伝子の変異株で、染色体ペアリング依存的な転写活性化が影響を受けるか調べることを続行した。その結果、一部のtrxグループ遺伝子の変異株で影響をうける事を示唆する結果が得られた。さらに、一般にクロマチンレベルでの転写制御で、trxグループとは逆の作用を有するとされるPcグループ遺伝子の変異株で、染色体ペアリング依存的な転写活性化が影響を受けるか調べた。その結果、一部のPcグループ遺伝子の変異株で、染色体ペアリング依存的な転写活性化が影響を受けることが明らかとなった。以上のことから、この遺伝子発現制御にはクロマチンレベルでの制御機構が働いており、少なくとも一部の、trxグループとPcグループに属する因子が関わることが示唆された。
また、通常は染色体ペアリング依存的な転写活性化を受けないtransgeneも、挿入部位によっては、マーカーであるmini-white遺伝子の発現が染色体ペアリング依存的に活性化することを利用し、mini-white遺伝子を有するトランスポゾンをゲノム上にランダムに挿入させ、このような制御を受ける領域がどれくらいの割合であるか推定した。その結果、数パーセントの割合で。mini-white遺伝子がペアリング依存的に転写活性化することが明らかになり、このような制御を受ける遺伝子が多数存在すると推定され、この機構の解明の意義の重要性が示された。
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