新規神経幹細胞表面マーカーMDPY-19の解析

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 14658243
• 研究機関: 滋賀医科大学
• 研究代表者: 黒川 清 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (40215083)
• キーワード: 神経幹細胞 / Neurosphere法 / nestin / dpy-19

研究概要

MDPY-19の発現の免疫組織化学的検討
成獣ラット、マウスを材料に作成した抗MDPY-19抗体を用いて免疫組織化学をおこなったところ脳室周囲に陽性細胞が存在し、抗Nestin抗体との二重染色では抗Nestin抗体で陽性の細胞はほぼ全て抗MDPY-19陽性であった。また、他の神経幹細胞のマーカーであるTuj1、グルタミントランスポーター等の抗体をもちいた二重染色ではほぼ抗MDPY-19陽性細胞全てが、これら他のマーカーでも陽性であった。発達段階においても検討したが、胎生9日から以降において(ラット、マウスともに)脳室周囲に陽性細胞が存在した。
In vitroの系における検討
さらに神経幹細胞マーカーとしての有用性の検証するためにラット胎児を用いた、Neurosphere法による神経幹細胞の培養をおこない、MDPY-19の発現を免疫組織化学とRT-PCR法を用いて確認した。このことにおいてMDPY-19が神経幹細胞において生合成され、発現していることが確認された。
遺伝子の分離
当初の予定では15年度に計画していたマウス遺伝子の分離をおこなった、データベースを検索して、BACクローンを7つまで絞り、そののちこの7つのクローンとヒトMdpy-19cDNAとのハイブリダイゼーションにより3つの陽性クローンを得、現在制限酵素地図を作成中である。

研究成果

• [文献書誌] Arai R., Karasawa N, Kurokawa K, Kanai H, Horiike K, Ito A: "Differential subcellular location of mitochondria in rat serotonergic neurons depends on the presence and the absence of monoamine oxidase type B"Neuroscience. 114・4. 825-835 (2002)
• [文献書誌] Yamamoto T, Wada A, Ohnishi M, Tsutamoto T, Fujii M, Matsumoto T, Takayama T, Wang X, Kurokawa K, Kinoshita M: "Chronic administration of phosphodiesterase type 5 inhibitor suppresses renal production of endothelin-1 in dogs with congestive heart failure"Clinical Science. 103・S48. 258S-262S (2002)
• [文献書誌] Hirai H, Mitsuya K, Kurokawa K, Matsuda M, Suzuki F: "Mouse Flamingo 1/Celsr2 relates neural reorganization of the hypertrophic dentate granule cells after kainite injection"Brain Rresearch. (in press). (2003)
• [文献書誌] Kurokawa K, Kudo M: "MDPY-19 is new surface marker protein of neural stem cells"Neuroscience Research. 26・suppl(in press). (2002)