ニューロプシンの特異的基質として我々が同定したL1の切断部位の配列から蛍光ペプチド基質を作成することを目標としている。ニューロプシンによるL1切断部位の同定(宮井担当)とそれを利用したニューロプシン特異的ペプチド基質の作成(塩坂担当)を行う Llの全長cDNA(既に取得済)をバキュロウイルスベクターに組み込み、昆虫細胞High5に強制発現させた。L1特異抗体を用いて検討したところ、200kdのfull length L1蛋白の発現を確認した。さらに、強制発現させた昆虫細胞に活性型のリコンビナントニューロプシンを作用させて細胞膜上のL1を切断したところ、180kdへの分解を観察した。しかし、現在のところ収量が悪く、TOFMSによりシークエンスを解析することが困難であった。さらに大量の蛋白産物を得るべく、試料の調整、精製法の詳細な検討をおこなっている。 一方、ニューロプシンの合成基質切断特性、L1の既知のシークエンス情報および上記の結果から、切断サイトとして3カ所の配列を想定している。L1の配列にpoint mutationをいれることにより配列を変え、その結果ニューロプシンによるL1切断能が変化するかどうかを検討するため、L1ミュータントの作成を行っている。これを上記と同様に、昆虫細胞によりミュータント蛋白を作成し、ニューロプシンによる分解が行われるかどうかウェスターン法により検討することを計画中である。 以上の検討により、ニューロプシンによる切断サイトを決定し目的の蛍光基質の作成にとりかかる。
|