研究課題
本年度は心内構造物を直視的に観察する三次元心臓超音波装置を用い、心拍動下に心内構造物の観察を行うことを目標として研究を進めた。三次元心臓超音波装置により得られた情報が、実際の心内構造物の動作を正確に表現できるか否かを評価するために、ブタ摘出心ランゲンドルフモデルを作成し、心内構造物を内視鏡的に観察するとともに、三次元心臓超音波装置による観察を同時に施行し、得られた情報を比較検討した。三次元心臓超音波装置により心内構造物は心臓弁膜心房中隔などの菲薄な構造物も描出が可能であり、心内構造物の動作をリアルタイムに観察する事が可能であった。次に、三次元心臓超音波装置を用い、手術操作が可能であるか否かを観察した。三次元心臓超音波装置により得られたリアルタイム情報をもとに、特殊に開発した手術装置を用い、組織把持、切開、運針操作が可能であるか否かを観察した。三次元心臓超音波装置により得られた情報は三次元情報ではあるが、二次元画面に描出されるため、奥行き情報が消失するため、画像情報のみによる手術操作には習熟を要した。現在、三次元心臓超音波装置の画像情報に基づき、心内手術操作が可能か否かの検証を行っている。ブタ摘出心ランゲンドルフモデルを用い、心内構造物を内視鏡的に観察するとともに、三次元心臓超音波装置による観察を同時に施行し、心房中隔に対する手術操作および三尖弁輪、僧帽弁腹、弁輪に対する手術操作の正確性および迅速性を検証している。