研究課題/領域番号 |
14658288
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加藤 功一 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (50283875)
|
研究分担者 |
岩田 博夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30160120)
|
キーワード | ハイスループットスクリーニング / 幹細胞 / 細胞マイクロアレイ / 分化誘導 / レポーターアッセイ / 自己組織化単分子膜 / マイクロパターン化 / 再生医療 |
研究概要 |
ヒト胚性幹細胞や臍帯血由来幹細胞などの幹細胞を利用した再生医療の実現には、幹細胞から目的とする細胞への分化を制御する技術が必須である。分化の制御には、低分子薬剤やタンパク質性因子を利用する方法が有効であると考え、本研究では、それらの候補物を迅速にスクリーニングするための新しい手法の開発を目指した。本年度はとくに、その鍵となる細胞マイクロアレイの設計に注力した。すなわち、高度に集積された微細スポット上で生細胞を培養し、各スポット上の細胞状態を迅速に把握する手法の確立である。 まず、材料表面の微細加工技術を利用して、1cm^2程度の微小な基板上に、単一の幹細胞をスポット状に配置した細胞マイクロアレイを作製する方法について検討した。その結果、ガラスプレート表面への反応性自己組織化単分子膜の形成、紫外線を利用した自己組織化膜のマイクロパターン化、ナノリッターオーダーのタンパク質溶液のスポッティングなどによって、フィブロネクチンのような接着性タンパク質や細胞表面抗原に対するモノクローナル抗体を基板上にマイクロパターン固定することができた。このようにして直径500μm〜1mmの細胞接着性スポット(25〜100spot/1cm^2)を多数もつ基板上で、接着系ならびに浮遊系の幹細胞・分化細胞をスポット培養することに成功した。 さらに、神経幹細胞を取り上げ、マイクロアレイ上での細胞の増殖・分化の評価系の確立、細胞のスポット周囲へのオーバーグロースの阻止、各スポットの均一性の確保などを達成するため、基板作製、細胞播種、基板上での幹細胞培養法について最適な方法・条件を探索した。また、レポーター遺伝子を発現した細胞の定量化を複数のスポットについて同時に行うには、落射型実体蛍光顕微鏡(H14申請設備)が有効であった。
|