研究課題
前年度までに製作したマイクロ流体デバイス上に、神経細胞様に分化するPC12細胞(ラット副腎髄質褐色細胞種)を培養した。そして、微小孔より濃度100ng/mlの神経成長因子を放出し、その際の細胞の変形や軸索伸長の様子を観察した。神経成長因子を放出してから2時間後、細胞は球状のまま基板に接着していたが、4時間後には扁平・肥大化を始め突起を形成し始めた。さらに、6時間後には微小孔に向かって軸索を伸長させる様子が確認できた。また、細胞体自体も微小孔の方向にわずかに移動する様子が確認された。これらの結果より、製作したマイクロ流体デバイスにより、神経インタフェースの構築に必要な神経軸索の誘導が可能であることを示すことができた。神経インタフェースを構築するには神経細胞をマイクロ流体デバイスの所望の場所に固定化する技術が必要であるため、細胞と強い接着性を有するコラーゲンをデバイス上にパターニングし、その膜上での細胞接着性を評価した。コラーゲン・パターニングの方法として、シリコン樹脂製スタンプを用いる方法、マイクロ流路中にコラーゲンを流し込む方法、レジスト材料を用いたコラーゲンのリフトオフによる方法の3種類を試し、比較検討した。その結果、リフトオフを用いることにより簡便にコラーゲンをきれいにパターニングすることが可能であり、さらに細胞非接着面として細胞接着性の極めて悪いチオール系の自己組織化単分子膜を用いることにより、よりコントラストの高い細胞のパターニングが可能であることが分かった。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (5件)
日本機械学会第17回バイオエンジニアリング講演会講演論文集
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