研究課題/領域番号 |
14658297
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研究機関 | 川崎医療短期大学 |
研究代表者 |
片岡 則之 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 講師 (20250681)
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研究分担者 |
松本 健志 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助教授 (30249560)
望月 精一 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助教授 (60259596)
立花 博之 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助手 (00241216)
梶谷 文彦 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70029114)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
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キーワード | 血管内皮細胞 / 力学刺激 / レーザマニピュレーション / 細胞応答機構 / 細胞内情報伝達 |
研究概要 |
本年度は、レーザーマニピュレーションを応用した細胞マイクロマニピュレーションシステムを用いて、培養内皮細胞に力学刺激負荷を行い、細胞の応答を解析した。直径35mmのガラスボトムディッシュ上に培養したウシ大動脈由来培養内皮細胞を、カルシウムイオンの蛍光指示薬であるFura-redとFluo-4の混合溶液で処理した。この2つの蛍光指示薬は励起波長が488nmと同一であるが、蛍光波長がそれぞれ655nm、516nmと異なっているうえ、カルシウムイオンに対する応答性も違うので、両蛍光波長の比をとることによって褪色の影響を除去しつつ、定量的なカルシウムイオン濃度変化を計測することが出来る。レーザーを内皮細胞の核近傍に集光した後にレーザーのシャッターを閉じ、共焦点レーザースキャンユニットで蛍光画像の走査を開始した。画像はカラーCCDカメラを通して、1秒毎にコンピューターに記録した。画像を撮り始めて10秒後にレーザーのシャッターを開いて内皮細胞に照射し、さらに20秒後にレーザー集光位置を10μm程度移動させた。得られた画像から、画像解析ソフトを用いて毎秒ごと、各細胞について蛍光強度比を測定した。その結果、刺激を負荷した内皮細胞で細胞内カルシウムイオン濃度上昇が観察され、さらにその周辺へのカルシウムイオンの伝搬も見られた。刺激を負荷した細胞内のカルシウムイオン上昇は、内皮細胞のStretch Activated Ion Channelをブロックした際にも、培養液中のカルシウムイオンをキレートした際にも観察され、細胞内のカルシウムストアーからの放出であることが確認された。 次年度以降は、内皮細胞表面のレセプターにマイクロビーズを接着させ、マイクロビーズをレーザーマニピュレーターで移動させることによって刺激負荷を行った際の反応を調べる予定である。
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