研究課題/領域番号 |
14658298
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研究機関 | 川崎医療短期大学 |
研究代表者 |
立花 博之 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助手 (00241216)
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研究分担者 |
片岡 則之 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 講師 (20250681)
平松 修 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 講師 (50208849)
松本 健志 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助教授 (30249560)
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キーワード | 心筋微小血管造影 / 貫通枝血管 / 冠循環 / リアルタイムグラメトリシステム |
研究概要 |
本年度の研究実績の概要を以下に示す。 ・心筋表面の位置情報収集方法の確立 心筋表面に直径15μm可視光マーカーを塗布、または埋込み、外部CCDビデオカメラ(1/4型CCD素子、155万画素)にて撮像し、位置情報収集の基礎データを集めた。具体的には心筋に表面に塗布する密度や、埋込む深さの条件を変えながら行なった。なお、実験にはラット摘出心拍動モデルを用いた。また、心筋微小血管の造影する際の撮影対象の血管のサイズを、およそ十〜数十数ミクロンオーダに想定した。外部カメラによる撮影時の光学的な拡大の程度は、ラットの心臓(縦およそ15mm、横およそ10mm)がほぼ14インチモニタ上にほぼ一杯に収まる程度まで拡大した。 上記のような撮影条件で外部カメラによる位置情報収集の基礎データを収集したが、心拍拍動に伴う撮影対象のブレが予想以上に大きく、マーカーのトラッキングには何らかの工夫を施す必要性があることが分かった。トラッキング用に撮影した画像上では、心筋表面に塗布マーカーは数十〜数百μm程度のクラスター状に観察できる。この拡大倍率のマーカーの大きさは、血管造影する際の撮影対象の血管のサイズ、およそ十〜数十数ミクロンオーダと対応させて考えると十分ではないが、倍率を上げることは容易で、これで十分対応可能であると思われた。当初、撮影対象に任意の大きさのROIを設け、ROI上の任意のマーカーをもとに、注目点(対象血管)をリアルタイムにトラッキングすることを検討していた。しかし、ラットの心拍動はおよそ300回/分であり、これに伴う心臓表面のマーカーの動きを標準的なビデオフレームレート(30枚/秒)で捉えると、状況によってはトラッキングに用いるには十分でない画像クオリティーとなった。特に、今後更に高倍率でトラッキング用の画像を撮影する必要あり、考慮すべき問題点は多い。 次年度は、これらの問題点を解決しながらカーボンメッシュを利用してトラッキングを行なうこと、位置制御システムの改良によるトラッキング精度の向上、三次元座標情報の収集手法の確立へと継げて行く計面である。次いで、心臓表面の血管から、心筋表面から内部に心臓表面貰通する貫通枝血管の造影に応用可能なリアルタイムグラメトリシステムへと発展させて行く計画である。
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