研究課題
「電気油圧駆動方式」人工心臓を対象として、超音波センサ、および圧力センサにより血液ポンプの駆動状態を監視し、駆動制御を行うシステムの構築を行った。血液ポンプはダイアフラムにより血液室とオイル室に仕切られ、アクチュエータ内のインペラの正転・逆転により駆動媒体であるシリコーンオイルを左右の血液ポンプへ交互に送り油圧により血液を拍出する仕組みになっている。効率や血栓形成防止の観点から常に血液が完全充満(FF:Full-Fill)、完全駆出(FE:Full-Eject)される駆動が望ましい。左血液ポンプ、オイル室側に半導体圧力センサを取り付けて駆動圧を計測し、充満期及び駆出期にピーク状の変化が現れたか否かによりFF、FEの判断を行った。また血液中とシリコーンオイル中で音速が異なることから、同ポンプ血液室側とオイル室側に対向するように超音波振動子を取り付け、血液ポンプ内の血液量とシリコーンオイル量の比に応じて変化する超音波伝播時間によりFF、FEの判断を行った。10拍動中のFFもしくはFEの認識数により駆動状態を判断し、アクチュエータの左右回転数を変更してFF-FE駆動制御を行うプログラムを作成した。模擬循環回路や動物を用いた実験により、超音波センサや圧センサから血液ポンプの駆動状態を判断することが可能であり、不完全充満(PF:Partial-Fill)状態や不完全駆出(PE:Partial-Eject)状態が制御プログラムによりFF、FE状態へと改善されることを確認した。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (3件)
人と技術を支えるフォーラム2004論文集
ページ: A11
第42回日本人工臓器学会大会予稿集 Vol.33,No.2
ページ: S-147
第2回生活支援工学系学会連合大会講演予稿集
ページ: 201-202