研究概要 |
1 日本の家計のライフサイクルとポートフォリオ選択、特に危険資産の選択との関係についてのこれまでの研究成果のまとめを行い、ワーキング・ペーパーとしてNBERのシリーズから出版した(学術専門誌で審査中。"Household Portfolios in Japan,"NBER working paper #9647,April 2003.)。同論文を発展させる形で、ペンシルバニア大学Mitchell教授・ニューサウスウェールズ大学Piggott教授と、住宅資産の純価値の計算および年金資産の計算を加えた新たな推計を2000年のデータについて行い、内閣府経済社会総合研究所主催の国際コンファレンスにおいてその成果を発表した("Strategic Asset Allocation in Japan : An Empirical Evaluation,"February 2004)。 2 日本の株式市場に関する実証研究として、以前の論文を発展させ、日本の株価インデックス・リターンの統計的性質に関する分析を、バブル崩壊後毎年のように繰り返されている、いわゆる「3月危機」と結びつけた分析を行い興味深い結果を得た。また、日本の株式市場における個別リスクの大きさの時間を通じた変化の問題について、先行研究の分析結果の頑強性に疑問を呈する分析を示した。("Stock Index Autocorrelation and Cross-autocorrelations of Size-sorted Portfolios in the Japanese Market"一橋大学経済研究所Discussion Paper Series A 448.2004年1月.「日本の株式市場のパズル」一橋大学経済研究所Discussion Paper Series A.447.2004年1月.『ファイナンシャル・レビュー』近刊)
|