本年度は、当科学研究費の研究期間の2年目にあたり、カメラ内部に設置されるレンズの熱真空試験、カメラ本体の構造設計と製造、さらにレンズ、フィルターやミラーなどのカメラ構成要素の購入を進めた。カメラの構造の要素としては、ラジエーションシールド、赤外アクロマティック集光レンズ、コールドストップ、フランジ付窓.バッフル、光学干渉フィルター、ターレット、冷凍機、検出器ならびに計装、温度センサなどから構成される。センサには、1-5μmに感度をもつインジウムアンチモン2次元アレイを用いるため、カメラ内部を100K以下に冷却しなければならない。このため、カメラ筐体は真空デュワー構造となる。本年度は、まず、カメラ内部に設置されるレンズは、70K程度まで冷却しても破損しないことが要求されるが、これを満足するかどうかを調べるために、アルミ平面ミラーなど(15年度消耗品)を購入し、試験用のレンズを用いて熱真空試験を行った。この結果、この要求を満たすことがわかり、カメラ用の正式な赤外アクロマティック集光レンズ(15年度消耗品)を購入した、また、カメラ構造の詳細な設計をつめ、ほぼ設計を完了させた。この結果、設置されるフィツターや高精度平面鏡(15年度消耗品)の仕様が決定し、購入した。さらに、カメラを真空にするために必要な銅ガスケットなどの真空部品(15年度消耗品)を購入し、真空試験を行った。また、カメラ制御用のノートパソコン(15年度備品)を購入した。こららの実験には、東北大学大学院理学研究科惑星プラズマ・大気研究センター内の設備を用いた。また、情報入手や打ち合わせを国内の研究者と行った。また、研究の成果は海外の学会で発表された。
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