研究概要 |
次世代超高加速・高速直動メカニズムとその制御に関する基礎研究の一環として,本年度行ったことは次の通りである. (1)次世代超高加速・高速直動メカニズムの実現を目指し,メカニズムに関し次のことを行った. (A)昨年度までの試作機では,駆動力を発生する電磁石固定子の長さが500mm,測定分解能は6〜9mmであり,機構の動特性を評価するためには不十分であった.そこで電磁石長さを2mに拡張するとともに,測定分解能80nmのレーザ測長器を購入し設置した. (B)上記(A)の拡張した実験装置により,現状の動特性を評価した.その結果,最大速度には大きな変化は見られなかったものの,392m/s^2(40G)以上の加速性能が得られた. (C)駆動アンプの使用数を増やし,動特性の向上を図ったその結果,最大速度は12m/s以上,最大加速度は600m/s^2(60G)以上の加速性能が得られた. (2)次世代超高加速・高速直動メカニズムのアクチュエータとして電磁リニアモータを用いている.そこで同様のモデルで記述可能な,位置決め機構を用い次のように制御方法を検討した. (A)対象としている機構に適した制御方法として,制御系設計が容易で,制御理論に関する深い知識を必要としない,報告者が提案している規範特性軌跡追従制御(NCTF制御)を取り上げ,その設計パラメータの性質やロバスト性について検討した.その結果パラメータの特性は単純であり,高いロバスト性を有していることを明らかにした. (B)電磁リニアモータは,しばしば1慣性系として扱われるが,構成によっては2慣性系となることもある.そこでNCTF制御方法を2慣性系に適用する方法を提案し,その有効性を解析的に明らかにした.
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