| 研究概要 |
本研究の目的は,動圧軸受の回転開始・停止時の低速回転域におけるラジアル剛性不足を補い,接触問題を回避することにある.但し,具体的には,低速回転時の補助用軸受として,磁気軸受を用いた動圧・磁気併用型マイクロ軸受の実現にある.但し,従来の磁気軸受,軸の姿勢制御に多数の電磁石・センサが必要なため,情報機器などの小型化に向かず,コスト的にも高価である.よって,上記の問題を解決するため,次の研究を行う.
(1)電磁石・センサ数の最少化をはかり,一般情報機器への組み込みにも対応できる新しいマイクロ磁気軸受の構造提案と実証.
(2)小型磁気軸受のセンサレス化によるシステムの単純化.
(3)小型磁気軸受と動圧軸受の併用構造の提案と,これによる低速回転域での接触問題の解決.
(4)動圧軸受の回転精度に対する,磁気軸受併用による影響の評価である.
H15年度は,(1),(2)を中心に研究を進め.
(1)に関しては,新たな小型化に関する磁気軸受構造を提案し,Φ2mmの軸径を有するマイクロ磁気軸受の実現に成功した.
(2)に関しては,誘導起電力法,ギャップ付近のサーチコイル法による変位推定の検討を行ったが,磁気浮上のフィードバック信号をして用いることのできるノイズの少ない変位の推定には失敗した.現在,軸を差動トランスの一部として変位を推定する方法の検討を進めている.
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