研究概要 |
サブモデル付加による更なる精緻化させ,Revised-AUSSSMの最終版を完成させた.これに,併行してあらゆる都市気候モデルに共通の問題であるモデル入力データの整備について,都市域における排熱機器の3次元空間分布特性の把握,都市キャノピーを構城する人工被覆面における短波放射率の3次元空間分布特性の把握を行い,結果をデータベース化した.GISを適用するなど他研究者がこれまで提案してきたモデル入力データは,特に都市形状データについて精緻化されたものであるが,エネルギー消費密度をそのまま排熱量と看倣している点が大きな問題点であり,排熱の3次元分布を考慮すべくそのデータベース化をはかろうとの発想は見られず,本研究の結果得られた基本データは重要な意義を有する. メソスケールモデル接続のためのカスタマイズを目指し,AUSSSM入力プラットホーム・データのフレーム構築を行った.また,MCDMおよびMCDM-23の建築-都市設計支援ツールへのカスタマイズに取り組み,AUSSSMとMCDM-23の有機的統合による都市設計総合支援フレームを開発した.なお,MCDM (Multi Criteria Decision Making Method)およびMCDM-23とは,設計行為を複数のalternativeから尤も付与条件に適合したものを選択する意志決定のプロセスと看倣し,その局面を支援する合理的方法論が前者であり,後者はそのコンピュータツールである.これらは,谷本がIEA Solar Heating & Cooling Task 23における日本の国威貢献として、米国NREL (National Renewable Energy Laboratory)との国際共同研究の枠組みの中で継続的に開発してきた.
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