研究概要 |
昨年度の研究によって,溶接・接合設計における意思決定フローが明確化された.本年度は昨年度の研究成果に基づき,統合ジョイント設計支援システムのプロトタイプを構築することを主目的に研究を実施した.本年度の成果を以下に整理する. 1.システムにおける情報管理構造の明確化と情報マネジメントシステムの構築 本研究のシステムにおいては,多様な設計案を同時並行的に生成・管理・評価する必要がある.この実現のために,設計の流れを記述するプロセス層と,製品情報や解析情報を管理するプロダクト層とを分離し,それらの独立性と整合性を保証しつつ多様な情報や処理機能を管理するための情報管理構造を定義した. 2.設計案生成機能の定義 製品モデルとグラフ理論を利用することによって,製品の接合位置とその組立順序に関する多様な設計案を生成することが可能な,設計案生成機能を定義した. 3.情報管理構造と設計案生成機能の検証 車の部品であるクロスメンバーを例題にプロトタイプシステムを実行し,以下の項目を検証した. ・1晩程度の計算時間で,数千にもおよぶ設計案を生成することが可能である. ・生成された設計案には,現行案や設計者が想定してい実現可能な設計案が多数含まれている. ・上記1で検討した情報管理構造によって,設計案と設計プロセスとの独立性を保ちつつ多様な設計案を管理できる. 4.評価機能(一部)の検討 本研究で使用予定の評価機能の一部,および設計案の評価・絞り込みのためのメカニズムを,本システムよりも評価項目の少ない例題を対象に検討し,設計案の評価・絞り込みのための基本方針を明確化した.
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