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2004 年度 実績報告書

風成塵堆積物(いわゆるローム層)のOSL年代測定と微細石英の堆積速度変化

研究課題

研究課題/領域番号 14702060
研究機関東京都立大学

研究代表者

塚本 すみ子  東京都立大学, 理学研究科, 助手 (30275010)

キーワードレス / 石英 / OSL年代測定 / OSL成分 / プロベナンス
研究概要

日本海の堆積物には大量の大陸起源の風成塵堆積物が含まれる.これらの風成塵堆積物の起源や供給量は,過去の冬季モンスーンや偏西風の強さ・軌道を反映して変化してきたと考えられる.今年度は,日本海で採取されたKT-94-PC5およびMD01-2407を用い,微細石英を抽出して,試料のOSLからこれらのプロベナンスに関する情報が得られるかの検討を行った.
石英のOSLには,光に対する反応速度の異なる成分が存在する.このうち,fastおよびmedium成分は,花崗岩などの岩石中の石英には存在せず,堆積物中の石英のみに観測される.このことから,fastおよびmedium成分のslow成分に対する比(以下fast+medium)は,石英が岩石から削剥されてからの移動距離を指標になると考えられる.実際に黄土高原西部から採取したレスと東部のレスを比較すると,fast成分とmedium成分の全体に占める割合は,移動距離の長い東部のレスで大きくなっていた.一方,fast成分はおおむね白亜紀以前の花崗岩に含まれる石英を加熱すると観測されるが,若い時代の花崗岩を加熱してもmedium成分しか得られない.そこで,fast成分とmedium成分の比(以下fast/medium)は,堆積物中の供給源における母岩の時代を反映している可能性がある.
次に実際の堆積物の中で石英のOSL成分の相対強度が時代とともにどう変わるかを,日本海北部で採取されたKT-94-PC5と南部のMD01-2407の2本のコアを用いて調べた.このうち,日本海南部の試料では,fast+mediumとfast/mediumの間に逆相関がみられ,風成塵の供給源が遠い場合には,母岩の年代が古く,近い場合には新しい,という傾向をもつことが分かった.また,MIS2,4の氷期にあたる時期に古い岩石から供給された石英が増加していることがわかった.

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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