研究概要 |
研究初年度である平成14年度は,まず第1に,プラズマガンから射出されたプラズマを実際に電子プラズマ中へと入射し,その時の反磁性信号をホール素子により測定することを試みた.この実験では電子プラズマの有無による信号の相違が現れるか調べてみたが,確かにわずかに違いが出ているように見えるものの,プラズマガンからのプラズマ流が数発連続して射出されることに伴うギャップスイッチ内ゼロクロッシングノイズにより,明確にはなっていない.そこで,このノイズを除去するため,ガン回路系に新たにクローバー回路をインストールすることを考え,これの設計製作を行った.これにより,プラズマガンからのガン射出は1発となり,また,上記のゼロクロッシングノイズがなくなるので,測定信号のS/N比向上が期待される.このクローバースイッチのインストールは今月末の予定である. 一方,測定系についても新たな静電プローブ群を製作し,これによりプラズマ電位の時間変化の測定が可能となるようにした.また,これに必要となる小型直線導入機を新たに製作した.今年度の初期実験でもっとも問題になったのが,電子プラズマの挙動である.プラズマが入射してくる際の電子プラズマの挙動を明らかにする必要があるが,これについては次年度の課題である.初年度においてはこの電子プラズマの径方向密度分布を測定するための回転機構付分割集電盤を設計製作した.これにより電子プラズマ単独での状態は明らかになるが,プラズマ流入射中の状況をモニターする測定系の開発が課題である.
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