研究概要 |
研究の2年目にあたる本年度においては,マッハプローブ及びその測定系を新たに設計・製作して,そのプローブによる回転流計測を試みた.初期実験の結果は以下の通りであり,プラズマガンから射出されたプラズマ流が電子プラズマ中へと入射するオペレーションモードの場合,マッハプローブの1対の電極から得られる電流差が最大となる.この電流差から計算される速度は〜10^4m/sと見積もられ,予想していたExB速度と同じオーダーの値を示している.また,この流れの向きは,磁場の向きをフリップするとその方向を反転させることから,回転流の信号を示していることは間違いない.したがって,建設した実験装置からの初期データが出ていると考えてよく,現在,ハードウェアサイドを論文としてまとめている. 実験データについては,現在,マッハプローブから得られる電流信号を1対のカレントトランスフォーマー(CT)を介して計測している.しかしながら,この1組のCT間には個体差があることを較正実験において見い出し,特性の揃ったCTを用いる必要性が明らかになった.このための新しいCTは既に入手されており,まもなく電子プラズマを閉じ込めるための井戸型ポテンシャルの深さ及び磁場強度,ならびに電子プラズマ長をもパラメータとしたパラメータスキャン実験を行う予定である.本年度の最後において,ようやく前述の一連の実験結果を遂行・解析することで,プラズマの非中性化に関する基礎事項を得ることができる見通しを得ることができた.
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