研究概要 |
平成14年度の成果は次のようにまとめられる. 1.全球大気エアロゾル特性の導出精度向上 衛星搭載偏光センサーデータを用いて,全地球規模での対流圏エアロゾル粒子特性導出を行なった. 陸域エアロゾルを導出する際に,推定精度向上のため地表面による偏光の考慮を行なった.IGBP土地分類とNDVI値を組合わせ,16種類の偏光状態を再現した結果,推定誤差が光学的厚さにおいて推定誤差が50%以内となった.2003年4月より,ADEOS-2衛星が稼動する.平成15年度以降,下記の項目2,3などの衛星同期検証実験によるデータを用いてアルゴリズム改良を図り,推定精度の向上を行なう. 2.大気エアロゾル観測 和歌山県白浜(AERONET),東大阪(AERONET, SKYNET),長崎県福江島(新規SKYNET),石川県柳田村(AERONET臨時サイト)の4ヶ所にて放射計を設置・運用を行い,エアロゾルの連続観測を実施した.観測結果は,NASA/AERONET(白浜,能登東大阪),SKYNET(福江,東大阪)としてWeb上でデータが公開が行なわれている. (AERONET ; http://aeronet.gsfc.nasa.gov, SKYNETは準備中) 3.地表面偏光観測 今後予定する国内外における地表面偏光観測の予備的実験として,千葉大学のラジコンヘリコプターに偏光放射計を搭載し,冬季に苫小牧北大演習林上空の地表面偏光データを取得した. 4.全球エアロゾル特性データの提供 衛星データから得た全球規模のエアロゾル特性情報を,東京大学気候システム研究センター,総合地球環境学研究所へ提供した.各機関にて全球における気候変動エアロゾル-雲粒子の相互作用などの研究に用いられている. 5.本研究費による新規設備導入 ADEOS-2/GLI, POLDER, Terra/MODIS等のデータ・アーカイブのため,53TB格納可能な磁気テープライブラリシステムを導入した.また,AERONET機器による放射計データがリアルタイムに米NASA/GSFCへ送信が可能となるGOES/GMS衛星への送信設備を導入した.
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