研究概要 |
平成15年度の成果は次のとおり. 1.衛星データを用いた全球大気エアロゾル特性の導出精度向上 基本的な導出アルゴリズムは,2波長における偏光放射輝度データを利用する.また,地表面により生じる偏光輝度を,2方向偏光輝度分布関数を導入することで改善を実施.エアロゾル推定精度検証のため,衛星稼動と同時期のAERONET放射計による地上観測データを用いる.衛星及び地上観測結果より求められる光学的厚さ及びオングストローム指数の検証を行った結果,波長0.55μmにおける光学的厚さのRMS誤差は約0.10である.なお,本研究の目標としてはRMS誤差で0.05を目指しており,今後も継続して精度向上を検討する. 2.地上大気エアロゾル観測網を用いた定点観測網の維持 2003年はAPEX-E3集中観測が実施された.同期間中を含め,和歌山県白浜,能登半島,長崎県福江島の3ケ所にて放射計を設置し,エアロゾルの連続観測を実施した.2003年の黄砂観測日数は各地の地上観測結果より2001年,2002年と比べて非常に少ないことを示している.晩春の5月にはロシア・バイカル湖付近で起こった森林火災による煙が観測された.解析の結果,森林火災特有の微小粒子の割合が非常に大きく,また5月21日における一回散乱アルベドの値は0.92であった.いずれのサイトのデータもAERONET(NASA),SKYNET (千葉大学・東京大学)データとしてWeb上で公開を行なっている.
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