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2002 年度 実績報告書

電子励起による表面反応素過程解明手法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 14703004
研究機関東京大学

研究代表者

佐々木 岳彦  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (90242099)

キーワード電子励起 / 電子エネルギー損失分光 / 電子刺激脱離 / 密度汎関数法 / 表面反応 / 分子力学法
研究概要

電子線は非常に高感度な粒子線であり、物質との相互作用断面積が非常に高いことから、有用なプローブとなりうる。この性質を利用して、様々な分析方法が実現されている。本研究は、電子励起を利用して、表面反応素過程を解析するための手法を確立することが目的となっている。具体的には、電子刺激脱離法および、高分解能電子エネルギー損失分光法を用いて、代表者は研究を行ってきている。それらの経験をふまえて新しいシステムを確立することが大きな課題である。これと平行して、電子励起による表面反応自体についても研究を進めて、測定対象を探索する方針となっている。
今年度は、電子線のエネルギーを選別した上で、電子エネルギー損失イメージング、電子刺激脱離により生じた陽イオンイメージングを目的として、装置の設計と製作を行っている。現在、このシステムに関しては、調整段階に入っている。
高分解能電子エネルギー損失分光法を用いた研究に関しては、Mo(112)の単結晶表面上の酸素原子の吸着状態を振動分光により研究し、吸着酸素原子の状態と反応性との相関について調べることができた。Moとの配位状態の違いに応じて酸素原子の反応性が異なることが分かっていたが、本研究により吸着サイトの違いとして整理できることが分かった。
また、Ag(001)表面上に成長するMgO薄膜の構造および電子状態について、密度汎関数法による研究を行い、実験で得られた構造情報などとの対応をつけることができた。また、密度汎関数法および分子力学法を併用することで、シリカ積層によるモレキュラーインプリンティング手法に基づく触媒設計に理論計算の立場から参加し、反応分子の形状、活性点との相互作用状態、シリカネットワークの構造について計算を行い、触媒設計に有用な指針を与えることができた。これらの知見は、粉体触媒上で行われているが、平坦基板上でも同様な展開を行うことが可能であり、電子励起および光励起による反応過程と組み合わせて研究することで興味深い反応系になり得る。また、開発中の装置の測定対象としても興味深いと考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] M.Kiguch, T.Goto, K.Saiki, T.Sasaki, Y.Iwasawa, K.Koma: "Atomic and electronic structures of MgO/Ag(001) heterointerface"Surface Science. 512. 97-106 (2002)

  • [文献書誌] T.Sasaki, Y.Goto, R.Tero, K.Fukui, Y.Iwasawa: "Oxygen adsorption states on Mo(112) surface studied by HREELS"Surface Science. 502-503. 136-143 (2002)

  • [文献書誌] A.Suzuki, M.Tada, T.Sasaki: "Design of catalytic sites at oxide surfaces by metal-complex atatching And molecular imprinting techniques"Journal of Molecular Catalysis A : Chemical. 182-183. 125-136 (2002)

  • [文献書誌] M.Tada, T.Sasaki, Y.Iwasawa: "Performance and Kinetic Behavior of a New SiO2 attached Molecular Imprinting Rh Dimer Catalyst in Size-and Shape-selective Hydrogenation of Alkene"Journal of Catalysis. 211. 496-510 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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