本研究は、散逸過程により作製される微粒子の規則構造を用いた光→化学エネルギー変換機能材料を作製することを目的としている。取り扱った散逸構造は、薄膜上の溶液に働く移流を利用して直径19nmから21μmの微粒子を集積する二次元コロイド結晶と言う構造体であり、作製条件により微粒子を一層、二層、三層と層数を作り分けることが出来るなどの特徴を持つ。この規則構造体の応用として、本プロジェクトではフォトニック結晶を取り上げている。フォトニック結晶とは光の波長程度の規則構造体であり、光を制御する材料として注目を集めている。 昨年は、フォトニック結晶で色素の発光を抑制することにより、色素増感型太陽電池の一色素あたりの光電変換効率が変化することを報告した。今年度は、様々な粒径の色素増感型フォトニック結晶電極を作製し、時間分解蛍光測定を行った。本測定の結果を用いて、フォトニック結晶内で発光が抑制されている色素の励起電子の寿命が構造によりどのように変化するかを検討し、光電変化効率変化にフォトニック結晶構造がどのように効いているのかを検討した。 尚、本プロジェクトの研究成果については以下のマスコミで取り上げていただいたので、本欄にて報告する; ・2004年10月15日発電効率高める(日経産業新聞) ・2004年10月18日光電変換効率アップ(化学工業日報) ・2004年11月フォトニック結晶により太陽電池の効率が向上(雑誌polyfile) ・20G4年12月理化学研究所、自己集積型フォトニック結晶を用いて色素増感型太陽電池の光電変換効率を向上(雑誌OPTRONICS)
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