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2003 年度 実績報告書

シャコガイの成長線を用いた古日射量計の開発とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 14704001
研究機関東北大学

研究代表者

山田 努  東北大学, 大学教育研究センター, 助手 (50321972)

キーワードシヤコガイ / 成長線 / 日射量 / 炭素・酸素同位体比 / 金属元素濃度 / 第四紀
研究概要

平成15年度は,本研究計画の2年目にあたり,シャコガイの飼育実験と海水やシャコガイ試料の分析に必要な機器の購入・立ち上げを行った.また,以前採取したシャコガイ殻を用いて,成長線解析や同位体比分析に関する予備実験を行った.飼育実験は,石垣島の沖縄県水産試験場八重山支場(14年度夏から)とニューカレドニアのヌメア水族館(平成15年4月から)で行っており,15年8月と12月には石垣島,15年9月と16年2月にはニューカレドニアを訪問し,センサー類のメンテナンス・データ回収・研究打ち合わせ等を行った.ニューカレドニアでは,シャゴウ6個体,ヒレジャコ3個体,シラナミ5個体を飼育しており,平成16年秋まで飼育を継続する予定である.パラオでの飼育実験は,平成16年春から開始できるように準備をすすめている.
また,以前,石垣島吉原で飼育・採取した2個体のシャゴウの成長線解析・同位体比分析の予備実験を行った.成長線解析には,骨格片の電子顕微鏡写真を用いた.また,骨格片を成長軸方向に20μm毎に削った粉末試料の同位体比分析を行い,日輪に基づいて各骨格試料の形成日時を割当てた.これらの分析値と生息環境因子(水温・塩分・全天日射量・降水量・潮位)との相互相関解析・クロススペクトル解析を行った結果,以下のことが明らかになった.日輪幅の変化の主な規制要因は日射量変化であるが,水温変化も影響を与えている.また,日輪幅変化に見られる負のスパイクは,大雨や台風に襲来を反映している可能性が高い.殻の炭素同位体比の変化は,水温・日射量・日輪幅と負の相関を示すが,共生藻の光合成活動やシャコガイ類の代謝活動などの生理学的過程が複雑に関与していることが予想される.殻の酸素同位体比の変化は,水温変化と極めて強い負の相関を持ち,また,殻はほぼ酸素同位体平衡下で形成される.

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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