研究概要 |
本研究ではモデル植物シロイヌナズナを用いて青色光による気孔開口変異体の単離と原因遺伝子の同定を目的として研究を進めてきた。以下に今年度の成果を挙げる。 1)スクリーニング法の条件検討:1次スクリーニングに用いる植物は4週間生育させ、測定に用いるロゼット葉は若いロゼット葉ではなく比較的古いロゼット葉を用いること。また、重量測定はロゼット葉を切り取ってから20分以内に一度目を行い、2度目の重量測定は90分目に行うことが最適であることがわかった。 2)1次スクリーニング:上記条件に従い、これまでT-DNAを挿入した変異株11,000株、エンハンサーを挿入した変異株3,000株、EMS処理した変異株2,000株の1次スクリーニングを行った。その結果、野生株と比べ気孔開度の小さいもの95株、野生株と比べ気孔開度の大きいもの43株を単離し、その種子を単離した。 3)2次スクリーニング:1次スクリーニングで得られた変異株について、実際の気孔開度を測定した。その結果、これまでのところ、野生株と比べ青色光に依存した気孔開口が小さいもの2株を同定した。 4)原因遺伝子の同定:2次スクリーニングで得られた2株のうち1株はT-DNAを挿入した変異株であるため、現在ゲノムを単離し、PCR法による遺伝子の同定を進めている。残り1株はEMS処理した変異株であるため、今後マップベースクローニングをすすめ原因遺伝子を同定する予定である。 5)今後の予定:最終的な1次スクリーニング目標数は3万株と考えている。よって、来年度も1次スクリーニングを重点的にすすめたい。その原因遺伝子の同定や機能解析を行いたい。
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