研究概要 |
本課題ではモデル植物シロイヌナズナを用いて青色光による気孔開口に変異の見られる変異体のスクリーニングを行い、その原因遺伝子の同定することを目的として研究を進めている。スクリーニングには様々なタイプの変異体を単離するため、T-DNA挿入株、アクチベーションタグ挿入株とEMS処理株を用いた。これまで、12,280個体のT-DNA挿入株、6,258個体のアクチベーションタグ挿入株と12,288個体のEMS処理株の1次スクリーニングを完了し、当初の目標数にほぼ到達することが出来た。さらに、2次スクリーニングを進め、T-DNA挿入株において5株とEMS処理株において24株の変異体を単離した。アクチベーションタグ挿入株においては、変異体を得ることができなかった。EMS処理株においては2次スクリーニングを継続中である。T-DNA挿入株より得られた変異体については、TAIL-PCRによる遺伝子の挿入箇所の同定を行い、5株中2株について、ゲノム中でのT-DNAの挿入箇所を同定した。今後はT-DNAの挿入した遺伝子の相補実験を行い、原因遺伝子を確定したい。また、T-DNAの挿入箇所の同定出来なかった株についてリーバースRCRなど他の方法で挿入箇所の同定を行いたい。EMS処理株の変異体については、現在、2次スクリーニングで得られた変異体について順次コロンビア品種との戻し交配とランズバーグ品種との掛け合わせを進めており、大まかな変異遺伝子の分類とマップベースクローニングによる遺伝子同定に向けての準備を進めている。
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