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2002 年度 実績報告書

糖尿病網膜症における血管透過性亢進の分子メカニズムの解明と新治療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 14704045
研究機関京都大学

研究代表者

鈴間 潔  京都大学, 医学研究科, 助手 (80335265)

キーワード糖尿病網膜症 / 血管透過性 / VEGF
研究概要

糖尿病網膜症は成人の失明原因として主要な割合を占めており、その病態解明・治療法の確立が非常に重要な問題となっている。視力障害の原因としては新生血管緑内障と並んで血管透過性の亢進による網膜浮腫が最も重要な病態である。糖尿病網膜症の血管透過性の亢進には血管内皮増殖因子(VEGF)が主要な役割を担っていることが明らかになり、研究代表者もVEGF自体やその調節機構の制御による治療法の開発に関して数々の研究成果をあげてきた。近年VEGFと同様に血管の発生に関わる増殖因子として見出されたアンギオポイエチン-1,2(Angiopoietin,Ang1,2)とその受容体Tie2が血管の透過性に対して抑制的に働く事が報告されている。これらの報告ではAng1がVEGFの透過性亢進作用に拮抗するとされている。そこで本研究ではVEGFとAngiopoietinのシグナル伝達機構を明らかにしてこれを制御することにより全く新しい糖尿病網膜症の治療法の開発を行う。
本年度は網膜血管内皮細胞によるin vitroの系においてVEGF,Ang-Tie2 systemの血管透過性への作用を検討した
(1)ブタ網膜血管内皮細胞・周皮細胞をKing GLの方法(King GL et al., J Clin Invest 75:1928,1985)により培養した。
(2)Northern blot解析による遺伝子発現、western blotによる蛋白発現などの解析により血管内皮細胞におけるTie2受容体発現を認めた。
(3)VEGFと,Ang1,2がどのような細胞内シグナルを伝えるか検討した。VEGFは酸化ストレスを亢進させ、JNKの活性化をもたらした。Ang1は細胞生存シグナルであるAktを活性化した。
(4)VEGF,Ang1,2のシグナル間のクロストークを検討した。Ang1がVEGFのシグナルの一部を抑制することが明らかとなった。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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