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2002 年度 実績報告書

トランスポーターを介した薬物輸送の予測法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 14704057
研究機関東京大学

研究代表者

楠原 洋之  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (00302612)

キーワード腎臓 / 尿細管分泌 / ベクトル輸送 / 有機アニオン / トランスポーター / 膜電位依存型輸送 / RST
研究概要

腎近位尿細管の刷子縁膜側の分泌に関わるトランスポーターの検索を行った。モチーフの保存性からrenal specific transporter(RST)に着目した。HEK293細胞を宿主細胞として安定発現系を作製した。Na+存在下で、尿中へと排泄される典型的な有機アニオンであるP-aminohippurateの取り込みはベクター導入細胞に比較して、有意に増加していた。更に、バッファー中のNa+をK+に置換すると、更に取り込みは促進された。この効果は、イオンの置換に伴う脱分極に由来するものと考えており、更に電気化学的手法により確認する予定である。更に、RSTは、PAHのほか、枯葉剤である2,4dichlorophenoxyacetate、benzylpenicillinなどの有機アニオンも基質とすることが明らかとなった。免疫染色を行ったところ、モチーフ配列から予測されたとおり、腎臓の尿細管の刷子縁膜に局在することが明らかとなった。異常のことから、RSTは生理的には有機アニオンの分泌に関与していることが示唆された。
ヒト腎臓において、現在刷子縁膜に局在していることが報告されている有機アニオントランスポーターについてmRNAの定量を行ったところ、OAT4の発現がもっとも高く、ついでMRP4、RSTであり、MRP2の発現量は非常に低いことを見いだした。OAT4の安定発現系を確立し、機能解析を行ったところ、従来の報告通りステロイドの硫酸抱合体を基質とするものの、マウスRSTで観察されたような膜電位に依存した有機アニオンの輸送は観察されなかったことから、OAT4は有機アニオンの分泌に関与していないことが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Wang DS et al.: "Involvement of organic cation transporter 1 in hepatic and intestinal distribution of metformin"J.Pharmacol.Exp.Ther.. 302. 510-515 (2002)

  • [文献書誌] Kusuhara H, et al.: "Expression and functional involvement of organic anion transporting polypeptide subtype 3 (Slc21a7) in rat choroid plexus"Pharm Res. (in press).

  • [文献書誌] Wang DS et al.: "Involvement of Organic Cation Transporter 1 in the Lactic Acidosis Caused by Metformin"Mol Pharmacol. (in press).

  • [文献書誌] Kato Y.et al.: "Gender difference in the urinary excretion of organic anions in rats"J.Pharmacol.Exp.Ther.. 302. 483-489 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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