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本研究ではポジトロン断層法(PET)と^<18>F-fluoro-deoxy-glucose (^<18>F-FDG)を用いて今年度は自転車運動時の脳活動について研究・解析を行った。被験者は健康な成人男子10名であった。運動は最大酸素摂取量(VO_<2max>)の55%強度での自転車運動である。運動時間は50分間であり、運動開始20分後に^<18>F-FDGを静脈より投与した。運動終了後ただちに脳のPETの測定を開始した。身体運度によって自転車運動では運動野、小脳虫部、大脳基底核の活性が認められた。中強度の身体運度では静脈血中の遊離脂肪酸や乳酸が増加する。メカニズムは不明であるが、本研究において静脈血中の遊離脂肪酸の増加と扁桃体の活動レベルの間に負の相関が認められた。扁桃体は怒りや攻撃性に深く関与する。この結果は、運動により攻撃性などの情動の抑制に運動が関与する可能性を示唆するものである。また静脈血中の乳酸濃度の上昇は、小脳活動と正の相関を示した。近年乳酸の脳内エネルギー源としての報告がなされているが、本研究の結果は主に小脳などで消費されている可能性を示すものである。日常生活の中で中強度の身体活動を行うことは、精神構造にも影響をおよぼすものと考えられる。
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