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2003 年度 実績報告書

磁気ピンセットを用いた1分子操作による回転分子モーターの研究

研究課題

研究課題/領域番号 14704065
研究機関東京大学

研究代表者

野地 博行  東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (00343111)

キーワード分子モーター / ATP合成酵素 / F1モーター / 1分子操作 / 磁気ピンセット
研究概要

(1)研究の目的
本研究の目標は「1分子単位で分子モーターを操作してそのメカニズムを解明する」ことである。我々は、F1モーターというATPで駆動する世界最小の回転モーターが、ATPの化学エネルギーをどのようにして力学的な仕事に変換しているのかを研究している。本研究では、磁気ピンセットを改良し、「F1モーターの回転ポテンシャル測定」「F1モーターの力学的活性化」「逆回転によるATP合成反応の検出」に関する研究を行なっている。
(2)結果
H15年度は、「F1モーターの回転ポテンシャル測定」ではトルクの角度依存性と、ヌクレオチドが結合していない状態でのポテンシャル測定を行った。「F1モーターの力学的活性化」では、力学的に分子に力を与えることでF1モーターに結合していたADPが解離することで活性化することを明らかにした。さらに、この「活性化反応」の活性化エネルギーが回転角度に比例して減少することを見出し、これを基に、回転角度がADPの親和性変化と強く共役していることを明らかにした。「逆回転によるATP合成反応の検出」では、検出のために不可欠な超微小空間の作成に成功し、この基本特性の確認と1分子生化学アッセイが現実に可能であることを実証した。さらに、この中でF1モーターの回転と磁気ピンセットによる操作も確認し、現在合成反応の1分子レベルでの検出に取り組んでいる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Imamura H, Nakano M, Noji H, Muneyuki E, Ohkuma S, Yoshida M, Yokoyama K: "Evidence for rotation of V1-ATPase."Proc Natl Acad Sci USA. 100. 2312-2315 (2004)

  • [文献書誌] Yasuda R, Masaike T, Adachi K, Noji H, Itoh H, Kinosita K Jr.: "The ATP-waiting conformation of rotating F1-ATPase revealed by single-pair fluorescence resonance energy transfer."Proc Natl Acad Sci USA. 100. 9314-9318 (2004)

  • [文献書誌] Ono S, Hara KY, Hirao J, Matsui T, Noji H, Yoshida M, Muneyuki E.: "Origin of apparent negative cooperativity of F(1)-ATPase."Biochim Biophys Acta.. 1607. 35-44 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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