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2004 年度 実績報告書

ホヤ胚の内胚葉分化と中胚葉誘導における分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14704070
研究機関京都大学

研究代表者

佐藤 ゆたか  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40314174)

キーワードCiona savignyi / Ciona intestinalis / macol / 転写因子
研究概要

転写因子が発生においてきわめて重要な働きを行うことは自明であるが、特定の動物で転写因子について網羅的かつ統合的な研究が行われている例はほとんど無い。ホヤは脊索動物でありながら脊椎動物よりもはるかに単純なゲノム構造を持ち、そのドラフト配列は決定されている。このことを利用して昨年度までにホヤのゲノムにコードされる転写因子遺伝子を網羅的に同定した。16年度はその情報をもとにそれらの遺伝子の胚発生における発現パターンをホールマントin situハイブリダイゼーション法によって可能な限り網羅的に明らかにした。それによれば、ホヤ胚ではほぼすべての割球の発生運命の決定が行われる110細胞期までに胚性の発現を開始する遺伝子は65個しかないことが明らかとなった。すなわち、この65個の転写因子遺伝子の昨日および相互の関係を明らかにしていくことによってホヤ胚における各割球の運命決定メカニズムの骨格を明らかにすることができることが明らかとなった。同時に、600あまりの転写因子遺伝子のcDNAクローンの塩基配列を決定し、オルターナティブスプライシングフォームを含めた遺伝子の一次構造を正確に同定した。
こうした基礎的な情報に基づいて、筋肉細胞の発生運命決定にきわめて重要な働きをもつ転写因子であるCi-machol遺伝子について解析を進め、その下流で初期原腸期胚までに発現を始める転写因子遺伝子を網羅的に同定した。特に筋肉細胞は自律的に分化し細胞間相互作用を必要としないことが知られているので、下流遺伝子として同定された遺伝子が直接筋肉細胞における構造遺伝子の発現に関与している可能性もある。また、Ci-machol遺伝子の下流遺伝子であるCi-Tbx6bは筋肉細胞の分化に必須であることも明らかにし、筋肉細胞分化における遺伝子カスケードの大枠をとらえることに成功した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Identification of downstream genes of the ascidian muscle determinant gene Ci-machol.2004

    • 著者名/発表者名
      Yagi K
    • 雑誌名

      Developmental Biology 274(2)

      ページ: 478-489

  • [雑誌論文] Gene expression profiles of transcription factors and signaling molecules in the ascidian embryo : towards a comprehensive understanding of gene networks.2004

    • 著者名/発表者名
      Imai KS
    • 雑誌名

      Development 131(16)

      ページ: 4047-4058

  • [雑誌論文] The ascidian Mesp gene specifies heart precursor cells2004

    • 著者名/発表者名
      Satou Y
    • 雑誌名

      Development 131(11)

      ページ: 2533-2541

  • [雑誌論文] A zinc finger transcription factor, ZicL, is a direct activator of Brachyury in the notochord specification of Ciona intestinalis2004

    • 著者名/発表者名
      Yagi K
    • 雑誌名

      Development 131(6)

      ページ: 1279-1288

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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