研究概要 |
(1)当該テクスト及び関連文献の写本マイクロフィルム(ゲッティンゲン大学図書館所蔵)を購入し(消耗品費),フィルムスキャナ(設備備品費)を用いてコンピュータに入力した後,それを活用して当該テクスト写本のローマ字転写を行い,テクスト校訂のための基礎資料を作成した.(2)必要な関連図書の整備を行った.(設備備品費)(3)従来誤入力の多かったジュニャーナシュリーミトラの著作データベースの校正作業を,関連分野専攻の学生に依頼し,研究環境の整備に努めた.(謝金)(4)国内外の学会・研究会に出席し,本研究に関連する主題について以下の研究発表を行うとともに,本研究の方向性などに関して他の研究者と意見交換を行った.(国内外旅費) (1)Jitari著Dharmadharmiviniscayaについて,韓・日共同印度学仏教学学術大会(於東国大学校,ソウル),2002.7.6. (2)Jnanasrimitraにおける存在性の概念について-反復を伴う知覚(abhyasavatpratyaksa)との関連をめぐって-,東京大学文学部印度哲学研究室第156回研究例会(於東京大学),2002.9.27. (3)abhyasa and sharp perception,国際仏教学研究協会第13回大会(於チュラロンコン大学,タイ,バンコク),2002.12.10. このうち(1)では本研究が主として扱うジュニャーナシュリーミトラと密接な思想的関連を持つと思われる人物であるジターリの著作について検討を行った.(2)ではジュニャーナシュリーミトラにおける存在性の概念について,また(3)では彼の知覚概念について考察した.両者ともに本研究の遂行に際して前もって検討が必要な問題であり,それをなしえたことは,今年度の最も大きな実績と見なすことができる.
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