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2004 年度 実績報告書

運動の構成要素を含む記憶の意識的・無意識的な検索過程に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14710054
研究機関法政大学

研究代表者

藤田 哲也  法政大学, 文学部, 助教授 (80273423)

キーワードSPTs / ソースモニタリング / 処理水準効果 / 再認記憶 / 実演効果
研究概要

SPTsとは,行為文(例:腕をなでろ)の内容を実演する課題であり,単に言語的に憶える文条件よりSPTs条件の方が,後の記憶成績が優れることをSPT効果という。被験者は行為内容を実演するSPTs条件か,実演を行わない,文条件のいずれかの下で行為文を偶発学習した。実験1では,各行為文に対して,過去のエピソードの参照が必要な意味処理を行わせた。実験2では,表面的な特徴のみで判断できる物理処理を行わせた。テスト段階では各行為文に対し,学習時に自分が「やった」か,「読んだ」か,学習時に呈示されなかった「新しい」ものなのかのソースモニタリング判断を求めた。その結果,ソースモニタリング正答率においてはSPT効果は有意にならず,実演してもソース判断が正確にはならないことが確認された。一方,通常の再認記憶においては,SPT効果は頑健に見られた。このパターンは昨年度の結果を追認している。また,実験1と2のデータを用いて処理水準効果についても検討したが,モニタリング正答率でも再認でも,処理水準効果は有意にならなかった。この点は,昨年度の結果と異なっていた。これまでの結果をまとめると,同じように学習エピソードの意識的な想起を求めるソースモニタリング課題と再認記憶とでも,結果のパターンは異なり,「分離」が見られたということである。本研究及び昨年度の研究のように,扱う変数を被験者間で操作するか被験者内で操作するか,という手続き上の差違によっても結果のパターンは異なるし,用いる記憶の測度が,同じ顕在記憶課題と見なせるものでも,得られるパターンが異なるということが分かった。さらには,行為の要素を含む記銘材料と,言語的な記銘材料とでも,記憶の性質は異なるといえる。今後,「記憶の理論」を一般化していく上で,記銘材料・検索意識・実験手続きについて,より体系的にデータを蓄積することが重要であることが示唆される。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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