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2002 年度 実績報告書

回転カゴでの自発的走行により引き起こされる味覚嫌悪学習に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14710055
研究機関関西学院大学

研究代表者

中島 定彦  関西学院大学, 文学部, 助教授 (40299045)

キーワード味覚嫌悪学習 / 回転カゴ / 古典的条件づけ / 運動ストレス / 自発走行 / ラット
研究概要

ラットに味覚溶液を摂取させてから回転カゴで自由に走行させるという手続きを繰り返すと、当該味覚溶液の摂取量が徐々に減少していく。これは、味覚刺激を条件刺激、回転カゴ走行を無条件刺激とした古典的条件づけによる味覚嫌悪学習だと考えられている。この学習現象の性質について検討するため、毒物を無条件刺激に用いた典型的な味覚嫌悪学習において報告されている諸現象が、この手続き場面でも確認されるかどうか検討した。
具体的には、味覚嫌悪学習の強さに影響を及ぼす変数として知られている、(1)無条件刺激の強度(この場合、走行時間の長さ)の効果、(2)条件刺激-無条件刺激間隔(この場合、味覚溶液摂取から走行までの間隔)の効果、(3)無条件刺激の先行呈示(この場合、回転カゴ走行の先行訓練)の効果を精査した。その結果、長く走行させるほど嫌悪学習が強く、味覚溶液摂取から走行までの間隔が長くなるほど嫌悪学習が弱く(ただし、この間隔が1時間であっても嫌悪学習が形成可能)、回転カゴ走行の先行訓練を長く行うほどその後の嫌悪学習が弱くなる、ことが明らかとなった。これらは、毒物を無条件刺激とした典型的な味覚嫌悪学習で確認されている特徴に一致し、回転カゴ走行が毒物投与と同様の機能を有している可能性を示唆している。
なお、上記結果のうち、(1)と(2)は、1種類の味覚刺激を用いた単純条件づけ手続きに加えて、2種類の味覚刺激の1つだけを回転カゴ走行と対呈示するという分化条件づけ手続きでも確認した。また、走行不能な回転カゴ内に置くことは嫌悪学習を引き起こさないことから、自発的走行が無条件刺激になっていることを実証した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hiroko HAYASHI: "Taste avoidance caused by spontaneous wheel running effects of duration and delay of wheel confinement"Learning and Motivation. Vol.33no.3. 390-409 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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